腸もみ・腸活を学び、実践していく中で「腸は感情と深く関わっている」という知識は、もはや当たり前のこととして習得します。
しかし、実際にセラピストとして多くの方のお腹に触れさせていただくと、時に知識を超えた神秘的な瞬間に立ち会うことがあります。
施術を受けたお客様から「なんだか、本当の自分とつながったような気がします」という言葉をいただくことも。
お腹という場所は、単なる消化器官ではなく、私たちの「核」が眠る不思議な聖域なのだと日々感じています。
昔の日本人は知っていた?「精神は腹部に宿る」という感覚
「腹が立つ」「腹に据えかねる」など、日本語には「腹(お腹)」を用いた慣用句が驚くほどたくさんあります。日本人は古くから、精神や本音は頭ではなく「腹」に宿るものだと考えていたようです。
いつ頃から、日本人はお腹で感情を語り始めたのでしょうか。 今回は、現代ではあまり耳にしなくなった、けれど非常に興味深い「腹悪し(はらあし)」という言葉をピックアップして、そのルーツを覗いてみましょう。
古典に見る「腹悪し」の2つの意味
デジタル大辞泉によると、「腹悪し」には大きく分けて2つの意味があります。
【1】怒りっぽい。短気である。
「大臣(おとど)極めて腹悪しき人にて、目を嗔(いか)らかして」 (出典:『今昔物語集』巻19・第9話)
【2】意地が悪い。腹黒い。
「幼少の時よりして腹悪しきゑせ者の名を得候ひて」 (出典:『義経記』巻5)
驚くことに、平安時代や室町時代からすでに「お腹の状態」と「気性の激しさ」はセットで語られていたのです。
言葉のルーツをめぐってみよう
これらの言葉が登場する古典についても、少し触れてみましょう。
まとめ:お腹を整えることは、心を整えること
「腹悪し(はらあし)」という言葉自体は日常で使われなくなりましたが、「お腹が悪い=怒りっぽい」というニュアンスがこんなにも昔から存在していたことは、非常に興味深いですよね。
現代の私たちは、つい頭であれこれ考えてイライラしてしまいがちです。けれど、そんな時こそ「腹」に立ち返ってみませんか。
お腹をふかふかに柔らかく整えることは、古の日本人が大切にしてきた「穏やかな精神」を取り戻す近道かもしれません。